「マンション大崩壊」 を読んで
社会問題化している空き家。
これが一戸建てなら所有者などの判断で、道筋が立てやすいでしょう。
関係する人が少数だからです。
現状のまま売却、リフォームして売却、リフォームして賃貸にする、建て替えるなど選択肢はかなり豊富です。
うまく解決していけそうです。
ところが老朽化マンションとなると厄介な問題で覆われていて、解決が難しい、あるいはできない、と警告しているのがこの本です。
分譲マンションの場合、所有者の一部が外国人である、あるいは入居者の大半が65歳以上の高齢者で、建て替え決議や外壁補修決議なども何もできないで、ただスラム化していくマンションが首都圏でも激増している、としています。
確かに注意してみてみると、増えているというより激増している、と言った方が当たっているかもしれません。地方から首都圏へ、そして都心へと逆スプロール現象のように都心をめがけて老朽化マンションは増え続けています。
さらにそのマンションが手抜き工事などで倒壊の恐れがある、となるとどうなるのか?という厄介な問題がはらんできます。築30年を超えると、給排水管などもかなり傷んできます。外壁のコンクリートも劣化してきます。マンションの場合、空き家 → 廃墟 → スラム → 崩壊 とたどる過程で、コントロール不能なダッチロール状態にしない秘策を練る必要があります。あきらかに個人レベルを超えていきます。
何か知恵を絞って解決策を考えていかないと、一戸建ての空き家問題どころではないようです。
首都圏のあちらこちらでデトロイトの小型版ができてしまうことだけは避けたいです。
牧野さんの住宅関連の著作はいくつか拝読させていただいておりますが、このマンション大崩壊は困った問題というより事件です。
現在東京下町にお住いの方から、戸建老朽家屋の再生に関してのご相談をいくつか受けています。
空き家再生は 「アイデア」 が大切です。当社だけでなく、税理士、提携不動産会社、FPなど優秀な方々とタッグを組んで、より良い提案をしていこうと考えております。
Posted on 12月 27th, 2015 by admin
Filed under: コラム