モノクロームの郷愁 VOL.01
マイルス・デイビスの大作 「ビッチェズ・ブリュー」 のような、それこそサイケデリックなイメージのジャケットとは正反対の、いろいろな色が出てこないアルバムのご紹介です。
色はいろいろとは出てきませんが、よい曲はいっぱい出てきますよ。
ジャケットは控えめではあるが、中身はサイコー・・・・・・なものを、いくつか選びました。
ジャズ愛好家として、独断と偏見に満ちた選択です。
軽すぎて、吹けば飛ぶようなヨーロピアンジャズではなく、やはりジャズはアメリカ。
アメリカの魅力は世界の国々に傘をかけることではなく、なんといってもベースボール、トラッドファッション、そしてジャズが三冠王、と行きたいところです。
第二次大戦後10年ほど経ったあたりから、ジャズは俄然面白くなる。50年代中ごろから60年終わりのビッチェズまで。戦争に勝利したアメリカの神髄がここにはある・・・・・・・・・・・かな?
ニューオリンズで発祥したジャズが、「ビッチェズ・ブリュー」 で頂点に達する。いや、頂点というより、厚く重たくのしかかる雲を突き抜けて天空を突き刺し、宇宙の果てに向かっているかのような感じさえする。
振り返ったら、近くには誰もいなかった・・・・・・・・・と、誰しも思ったことであろう。したがって、当然ながら見えてくるのは下の方になる。
誰だって下には降りたくない。
この頃から米ソの代理戦争であったヴェトナム戦争は、泥沼に入っていく。
国土をめちゃくちゃにされたヴェトナム人からしたら、たまったものではない。( ミーソンの遺跡も銃弾で結構やられた )
疲弊した兵士に明日はない。あるのはジッポーライターで火を付ける、ほんのひと時だけだ。
「ビッチェズ」 以後出てくる、幾分腑抜けした感じのエレクトリックサウンドが、ヴェトナム戦争での疲労をイメージさせる。
己自身がまき散らした枯葉剤が、疲労のメタフォアなのかもしれない。
まき散らすのは枯葉剤などではなく、世界に向けて多くのジャズサウンドであってほしい。
「ブルース・ウォーク」 1958 ルー・ドナルドソン (ブルーノート)
第1弾は、アルトサックスのルー・ドナルドソンがリーダーの 「ブルース・ウォーク」
セントラルパークであろうか? ゆったり歩いているドナルドソン。
なんとなく刑事コロンボに似ているようだが、コートはブルックスブラザーズかな?
Posted on 10月 12th, 2014 by admin
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