モノクロームの郷愁 VOL.06
「イッツ・ア・ブルー・ワールド」 1958 レッド・ガーランド (プレスティッジ)
右を向くガーランドに、左を向くガーランド。
左右対称に設えたこのアルバムは俗にいう未発表演奏集、ということらしい。
未発表にした理由があったのかもしれないが、この内容が未発表ということは、当時のレベルの高さが想像される。1971年になってこのアルバムは初めて陽の目を見ることになる。
このアルバムはベースがポール・チェンバース、ドラムスにアート・テイラーといった馴染みのメンバーによるピアノトリオ。ガーランドは当時マイルスやコルトレーンの演奏にも積極的に加わっていたから、膨大な数の録音が残されている。しかもそのどれもがシングルトーンによる魅惑的な演奏ばかりだ。
この未発表演奏集は
しばらくたってから、適当に寄せ集められてアルバムになったのではない。
演奏が終わったのに、ついうっかりアルバムにするのを忘れてしまったのでもない。
録音の数があまりにも多かったため、後回しにされただけのことのようだ。
このアルバムの曲はすべて1958年2月7日に録音されている。
ということは、後回しにされて待っていた時間は13年、ということになる。
Posted on 10月 24th, 2014 by admin
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