
長野県の松代にある重要文化財の 「旧横田家」 です。



現在ある建物は、18世紀末ごろに建てられた建物を一度すべて解体し、建て直しています。
基礎、そのほかの材料は絵図や古文書などを参考にして、建築当時の姿に近づけたそうです。
保存、修理、管理の状況はかなり良好です。良好な分、維持コストはそれなりにかかっています。
保存修理費 約2億3百万
防災施設費 約3千2百万
外構整備費 約4千2百万
しめて 2億7千7百万円也
大屋根に接続する2階部分は立ち入り禁止でしたが、そのほかは庭を含め全て見ることが出来ました。中級藩士の暮らしぶりが良く分かります。
このスタイルは、実は北米の住宅でもよく見かけます。
この吹き降ろした大屋根に、2階までの標準軒高の軸組みを接続させるデザインは、案外万国共通、いや、日本と北米の共通言語だったりして・・・・・・・・。断定は早すぎますけどね。

「大屋根の家」 (1995 つくば市)
そこで外形デザイン。
アーキヴィジョン作品集の中から、旧横田家のデザインフィールに近い、つくば市の 「大屋根の家」 (1995年9月竣工)を見てみる。
ここでは左右の屋根を吹き降ろし、シンメトリーな外観を忠実に表現しています。
大屋根の家の南側正面中央の矢切部分のブロックが、旧横田家の中央部分に呼応します。

実は北側のフィーリング。スケール50の模型を見てください。
屋根を一体に吹き降ろしていないところが、旧横田家との大きな違いですが、デザインフィールには共通点が多く見られます。もちろん意識して設計しているわけではありませんが、住宅デザインの奥深さを探ってみると楽しいですね。
Posted on 7月 4th, 2012 by admin
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