
イタリア・プラートのガイドブック
昨年に続いてスタッフとジャパン・ホームショーに行ってきました。
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昨年に比べて中国企業の多さに目を奪われましたが、日本の市場と少しピントがズレているようにも思えました。ズレているといっても大幅にズレているわけではなく、汗で濡れたパンツが下にズレ落ち、股下がかゆい、かゆいといった程度のズレ具合です。
石や布地などの素材をアピールしていましたが、展示方法もいまいちというところです。上海や大連の路上にある店の前の陳列を、少し良くした感じです。ブースの前を歩いていて、大連の町を散歩したときを思い出したくらいです。
ただコストのアドバンテージはありますから、やり方を工夫すると受け入れやすくなりそうな気がします。「デザイン」「品質」それに売るための「プレゼンテーション」が向上すると、かなり日本に浸透してくると読んでいます。もちろん中国企業が日本市場を重要なマーケットと考えていることは間違いありません。
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次にジャパン・ホームショーと合わせてインテリア・トレンドショーも見まして、そこにひとつ興味あるブースがありました。
フィレンツェから少し上のプラートという町のブースです。この町の職人芸が日本のマーケットで受け入れられるか、あるいは受け入れられないかを、これから調査していこうとする試みです。ブースの展示プレゼンテーションは、先ほどの中国企業とは比べ物にならないくらい魅力的です。家具、置物、ファッション、陶芸などイタリアのデザイナーが日本人の心をくすぐるようにうまくアレンジしています。20代、30代の女性、それにアラフォーも間違いなく嵌(はま)ります。
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さて今日のコラムはこの先にオチがあります。通常ですとデザインの国「イタリア」に対して、品質が悪い「中国」で終わってしまいます。
実は先日亡くなった構造主義者クロード・レヴィ・ストロースです。彼は実存主義者ジャン・ポール・サルトルに鉄槌を下した人物で、ベルギー生まれのユダヤ人です。
要するに我々先進国から見て、先進国側が勝手に解釈し、人間が主体的に行動して歴史を作っているとする実存主義に対して、自分では主体的に判断や行動をしていると信じているが、社会の深層には当事者でも自覚しえない共通する不変で無意識の構造がある、として構造主義の金字塔を打ち立てた人物です。
中国とイタリア、商売上のブースでは明らかにイタリアに軍配が上がります。しかし実際の市場においては今のところなんともいえませんが、中国に軍配が上がるような気がしてなりません。
僕はヨーロッパ、とりわけローマからアッシジにいたる石畳を見て、これが歴史だ、なんていう人は信用していませんから・・・・・・・・ネ。

Posted on 11月 12th, 2009 by admin
Filed under: コラム